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大竹麻友インタビュー
もっと強くなるために

20大竹 麻友

子どもの頃からサッカーに魅了され、地元熊本のチームで才能を磨き上げた大竹麻友。高校時代には厳しい環境の中で困難に立ち向かい、大学ではチームを勝利へと導く活躍を見せた。なでしこリーグでは優勝やMVP受賞を経験し、2024年初めにノジマステラ神奈川相模原へ移籍。新たな舞台で挑戦を続ける彼女が、その歩みと現在の思いを語る。

「もっとうまくなりたいという気持ちで続けた」

1997年生まれの大竹は、小学4年生のときに2人の兄の影響でサッカーを始め、地元の少年団に加わった。

「兄が2人ともサッカーをしていて、私もよく一緒について行っていました。ある日、ボールを蹴ったらたまたまゴールに入って、それがとてもうれしくて『私もサッカーをやりたい!』と思うようになったんです。当時は男の子の友達が多く、少年団で楽しくサッカーをしていました」

少年団でサッカーを楽しむ一方、女子チームのルネサンス熊本FC(現在は益城ルネサンス熊本FC)にも所属。女子チームでの活動にはまた違った魅力があったという。

「小4の冬にルネサンスに入り、夜はそこで練習していました。大会では女子同士でプレーするため盛り上がりますし、チーム数が少ない分、優勝争いに加われる楽しさも感じられました」

中学時代、大竹は熊本市立城西中学校サッカー部に所属し、男子に混じってプレーしていた。部活を終えた後の夜にはルネサンスの練習にも参加。中学2年生からは、U-15やU-18に加え、20代や30代の選手も在籍するトップチームでのプレーも経験し、多くの刺激と学びを得た。

「トップチームではFWとしてプレーさせてもらいました。厳しい練習の中で、不安に感じることもありましたが、もっとうまくなりたいという気持ちで続けました」

現在、ステラでチームメートとして共に戦う池尻凪沙とは、熊本時代に初めて出会った。小学校6年生の熊本トレセンで顔を合わせ、その後、九州トレセンでも一緒にプレーするようになった。中学時代には、それぞれの所属チームが同じ大会に出場。「凪沙のチームとは決勝でよく対戦しました」と、大竹は当時を懐かしそうに語る。

「WEリーグで自分を試したいと思った」

2012年、大竹は全国屈指の強豪校である兵庫の日ノ本学園高校に進学。サッカー漬けの日々を送り、「毎日ヘロヘロになって寮に帰っていました」と語る。

高校2年生でサイドハーフからFWにコンバートされた後、前十字靭帯を断裂。その後に復帰したものの、3年生の冬に逆足の前十字靭帯を断裂し、全日本高等学校女子サッカー選手権大会には出場できなかった。それでも、仲間たちの存在やチームの一体感が大竹を支えた。

「Bチームの選手がAチームの選手を一生懸命応援している姿を見て、これが勝てるチームなんだと感じました。自分も試合に出たい気持ちはありましたが、チームの一員として最後まで戦いたいと思いました」

2015年に大竹は帝京平成大学に進学する。同じ日ノ本学園出身の池尻らと切磋琢磨し、創設間もないチームを強くすることに全力を注いだ。2015年には関東大学女子サッカーリーグ2部で3位となり1部昇格を果たし、2018年には1部で優勝を成し遂げる。チーム全員で積み上げた努力と大竹の真摯なプレーがその原動力となった。

「私たちは4期生で、本気でサッカーがうまくなりたい選手たちが集まっていました。私も、このチームをもっと強くしたいという気持ちで、全力で練習に取り組んでいました。凪沙とはほぼ毎日、一緒にシュート練習をしていたのをよく覚えています。また、矢野喬子監督(現オルカ鴨川FCテクニカルダイレクター)からは多くのことを学びました」

2019年、大学卒業後になでしこリーグ2部のスフィーダ世田谷FCに加入。1部のステラとも迷ったが、当時の自分に合った環境を考えスフィーダを選んだという。その後、仕事とサッカーを両立しながら5年間を過ごした。「仕事は大変でしたが、職場の人たちにも応援していただき、毎日が楽しかった」と話す。2020年に2部優勝、2022年には1部優勝とMVP受賞を経験し、自身の得点力でチームの躍進に貢献した。

一方、スフィーダでの最後の年に足首をケガしたことを機に、自身の未来を見つめ直した。同年代の選手たちが活躍する姿に刺激を受け、WEリーグ挑戦への思いを強めた。

「足首が回復したとき、『この先どれだけ成長できるのだろう』と考えました。同年代の選手たちを見て、WEリーグで自分を試したいと思いました。そのタイミングで声をかけてくれたのがステラで、『今しかない』と思い決断しました」

「限られたチャンスを生かすことが大事」

2024年1月、大竹はステラに加入し、2023-24シーズンの後半戦からWEリーグに挑んだ。リーグ戦15試合に出場し3得点を記録したが、最初は「手応えはまったくなく、こんなにできないものなんだと思いました」と厳しいスタートを振り返る。

「判断のスピードが全く違って、相手の寄せも速いので、ボールを持ってもすぐに失ってしまうことが多く、正直ショックを受けました。それでも、もっと成長したい、とにかく"得点という結果"がほしいという気持ちはさらに強まりました」

新たな環境での挑戦は、大竹に多くの気づきを与えた。味方や相手の動きを理解し、それに合わせてプレーを追求する中で、徐々に手応えを感じ始めている。2024-25シーズン前半戦では、WEリーグ11試合で2得点、WEリーグカップ4試合で2得点という成果を残した。彼女の強みである「駆け引きして裏に抜け出す動き」を最大限に生かすため、日々工夫を重ねている。

「守備の強度が高い中、限られたチャンスを生かすことが大事だと感じています。ボールを失わないことを意識し、もっと精度を高めていきたいです」

一方で、ピッチの外ではリフレッシュの時間を大切にしている。ジグソーパズルを完成させる達成感や、ネイルアートで気分を一新する楽しさは、彼女にとって欠かせない心休まるひとときだ。

「最近作ったパズルは『魔女の宅急便』の店番のシーンでした。300ピースあり、背景が茶色ばかりでとても難しかったのですが、3、4人で進め、仕上げることができました。次は1000ピースに挑戦してみたいです。ネイルは毎月デザインを変えて楽しんでいます。夏は涼しげな青、秋はハロウィン、先月はクリスマスをイメージしたデザインにしました。季節ごとに変えるのが楽しいですね」

そんな癒しの時間が、新たな挑戦への活力を生み出している。そして、サッカーを続けられる喜びと支えてくれる人々への感謝の気持ちを胸に、大竹はシーズン後半戦への意気込みを語る。

「ここまでサッカーを続けられたことに感謝しています。シーズン前半戦では1勝しか出来なかった。後半戦ではさらに得点を重ね、『ステラを応援して良かった』と皆さんに思っていただけるような試合を届けたいです。必ずもっと強くなります」

プロフィール

大竹 麻友
OTAKE Mayu

1997年1月30日生まれ、熊本県熊本市出身
益城ルネサンス熊本F.C - ルネサンス熊本F.C - 日ノ本学園高 - 帝京平成大 - スフィーダ世田谷FC - ノジマステラ神奈川相模原(2023-24シーズン~)

(文=大西徹・株式会社アトランテ)