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片山由菜インタビュー
挑戦を重ねるストライカーの決意

18片山 由菜

修徳高校を卒業後、なでしこリーグで経験を積み、WEリーグの舞台へ。ゴールを狙い続ける片山由菜は、強い意志と努力で成長を重ねてきた。ニッパツ横浜FCシーガルズで得点力を磨き、2024年にはノジマステラ神奈川相模原に加入。WEリーグの厳しさを実感しながらも、貪欲に挑戦を続ける。片山がこれまでの歩み、そして未来への思いを語った。

「ゴールに絡むために最後まで走り続けた」

片山は2002年生まれ、神奈川県川崎市出身。5歳のとき、兄や姉が通っていた地元少年団・平間FCに入り、サッカーを始めた。小学校のグラウンドで男の子たちとボールを追いかけ、サッカーが日常の一部となっていった。

「3、4年生ではセンターバック、5、6年生はボランチ、サイドハーフ、サイドバック、FWと、さまざまなポジションを経験しました。コーチの方針でポジションを固定せず、ゴールキーパーの選手が休みの時にはじゃんけんで決めたりもしました」

異なる役割をこなす中で、サッカーに対する意識も変わっていった。

「3、4年生までは楽しくサッカーをしていましたが、5、6年生になるとコーチの指導が本格的になりました。ポジション争いが激しくなり、試合に負けると悔しさを感じるようにもなりました」

そんな小学生時代で最も印象に残っているのは、チーム主催の大会だ。

「大会の決勝で、普段は勝っていた相手に負けてしまいました。余裕で勝てると思っていたので、負けたときはすごく悔しかったです。気を抜くと勝てないということを、そこで痛感しました」

2015年、片山は中学進学と同時にINAC多摩川レオネッサU-15(現在は南葛SC WINGS U-15に運営を移管)に加入。日テレ・東京ヴェルディメニーナやJFAアカデミー福島のセレクションを受けたものの合格には至らず、自宅から近いクラブを選んだ。

「当時、練習場所が確保できないときには、河川敷にコーンを置いてドリブル練習をしたことがあります。小学校のグラウンドを借りてスパイクを使えなかったこともしょっちゅうでした。フットサルコートを借りて40人ぐらいで練習したこともあります」

中学1年では、U-15の試合に出場しながら、選手数の少ないU-18の公式戦にも出場。高校生に混じってプレーすることで、より実戦経験を積むことができた。

「U-15とU-18の試合に出て、何度もコテンパンにやられました。FWだったので、ボールがなかなか来なくても、とにかくゴールに絡むために最後まで走り続けました。そういう根性は鍛えられたと思います(笑)」

中学2年になると、チームは徐々に勝ち始め、全日本女子ユース(U-15)サッカー選手権大会関東予選に出場。中学3年ではさらに成長を遂げ、関東予選の準々決勝、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-15戦で忘れられない試合を経験する。

「前半を0-2で折り返し、後半に自分が2得点を決めて追いつきました。延長戦でも1点を取って、逆転することができました。ずっとジェフには負けていたので、本当にうれしかったです」

「WEリーグでプレーしたいと思うようになった」

2018年、片山は修徳高校に進学し、本格的な部活動中心の生活を始める。ハードな練習とチームメートとの濃密な時間が、彼女を大きく成長させた。

「中学では部活に入っていなかったので、チームメート全員と一緒に行動するのが新鮮でした。特にきつかったのは、月に2回あるアスレティックトレーナーの指導日。40m四方のコースを30分間走り続けるメニューがあり、昼休みに練習メニューを確認して、その内容を知った瞬間にみんなが絶望していました(笑)」

高校時代は主にFWとしてプレーしたが、試合によってはセンターバックやボランチを任されることもあった。高校2年の全日本高等学校女子サッカー選手権大会では、2回戦でハットトリックを達成し、大会得点王にも輝くなど、確かな手応えを得た。

「関東大会には毎年出場し、高1で優勝、高2で準優勝、高3で再び優勝しました。でも、全国大会では準決勝止まりで、決勝には届かず、とても悔しかったです」

高校卒業後、片山は大学進学かクラブチームかで迷い、多くの人の意見を参考にした上で、2021年になでしこリーグ1部のニッパツ横浜FCシーガルズに加入。朝に練習し、昼から夜は仕事という生活を送りながら、1年目から試合に出場した。1年目は22試合4得点、2年目は19試合2得点。そして3年目には22試合12得点と、大きな飛躍を遂げた。

「3年目は全試合でスタメン起用してもらいました。得点できない時期もありましたが、それでも起用し続けてもらえたことに本当に感謝しています」

試合を重ねる中で手応えをつかみ、自信も深まっていった。そして、次第に「WEリーグで挑戦したい」という思いが強くなっていく。

「その頃、同世代の選手が活躍し始めていました。ベレーザの山本柚月選手は地元が一緒で仲も良く、試合での活躍を見て、自分もWEリーグでプレーしたいと思うようになりました。そんな中、最初に声を掛けてくれたのがステラでした」

ニッパツ時代には、ステラと練習試合をする機会もあり、「めっちゃ走るチーム」という印象を持っていた。

「当時は病院で医療事務の仕事をしていて、受付や会計を担当していました。その病院にはステラの選手も通っていて、知っている選手を見かけることがありました。実はその頃から、ひそかに縁があったんですよね(笑)」

「サッカーをして生活できることに、ただ感謝しかない」

2023年12月19日、片山のステラ加入が発表された。2023-24シーズン後半戦はリーグ戦13試合に出場し1得点。2024-25シーズン前半戦で最も印象に残っているのは、昨年9月1日のWEリーグカップ第1節アルビレックス新潟レディース戦だと言う。片山は62分から途中出場し、その3分後、試合の流れを変える活躍を見せた。

「1-1の状況で入り、絶対に点に絡みたいと思っていました。(大竹)麻友さんのゴールをアシストできて、チームの勝利に貢献できたという実感があります」

リーグ戦では10試合に出場し1得点。WEリーグカップでは4試合に出場。そして昨年12月15日の皇后杯 JFA 全日本女子サッカー選手権大会5回戦・岡山湯郷Belle戦では、後半開始から出場し、63分に追加点を挙げた。

「(榊原)琴乃と『絶対に点を取ろう』と話して入りました。麻友さんが裏に抜けたとき、チャンスが来ると感じていたんです。マイナスのパスを信じて走り込むと、蹴りやすいボールが来たので、ふかさないように意識してシュートを打ちました」

シーズン前半戦を終えた中断期間のオフには韓国を訪れた。中学時代、INAC神戸レオネッサU-15との交流で韓国を訪れた経験があり、今回は当時の仲間に誘われての再訪だった。

「韓国旅行はとても楽しかったです。友達と一緒にソウルに行き、おいしいものを食べました。特にサムギョプサルが絶品で、食べることが大好きな私にとって最高のオフになりました」

2024-25シーズン後半戦は3月1日、大宮アルディージャVENTUSとのアウェイゲームから再開する。片山はゴールへの意欲を更に燃やしている。

「みんなにいいクロスをもらっているので、そろそろ決めたいです。リーグ戦ではPKで1点取っていますが、流れの中からゴールを決めたい。チーム全員が走り込んでいるので、自分も負けずにコンディションを整えていきます」

WEリーグ2年目。夢だったプロの舞台に立てる喜びは今も変わらない。

「サッカーをして生活ができることに、ただ感謝しかありません。以前は仕事と両立していましたが、今はサッカーにすべてを注げる環境があります。チームは現在下から2番目ですが、目標の5位以内を目指し、勝利に貢献できるように頑張ります」

プロフィール

片山 由菜
KATAYAMA Yuna

2002年8月27日生まれ、神奈川県川崎市出身
平間FC - INAC多摩川レオネッサ - 修徳高 - ニッパツ横浜FCシーガルズ - ノジマステラ神奈川相模原(2023-24シーズン~)

(文=大西徹・株式会社アトランテ)