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2023/11/30

WE ACTION MATCH レポート ―「子ども虐待のない社会」と「インクルーシブ社会」の実現を目指して―

いつもノジマステラ神奈川相模原に対し、多大なるご声援をいただき、誠にありがとうございます。
11月23日(木・祝)に行った「WE ACTION MATCH」は、WEリーグの試合という枠組みを超えて、地域の人々がつながる舞台となりました。

以下、イベントレポートです。

ノジマステラ神奈川相模原は、第3節 ジェフユナイテッド市原・千葉レディースとの一戦を「WE ACTION MATCH」として開催。「子ども虐待のない社会」と「インクルーシブ社会」の実現をテーマとし、相模原市内の児童養護施設「相模原南児童ホーム」と「中心子どもの家」の子どもたちと職員の方々約80名を大型バスで相模原ギオンスタジアムに招待しました。



■参加者同士でハイタッチ「CPサッカー体験会」

試合前のグラウンドでは「CPサッカー体験会」を開催。同じ神奈川県内で活動するエスペランサと協同し、CPサッカーと呼ばれる、脳性麻痺や脳梗塞、脳腫瘍などの後遺症が原因で運動に制限のある選手たちがプレーできるように考案されたサッカーの体験会を企画しました。
この体験会には児童養護施設の子どもたちやサポーターズクラブROSSO・BLU会員の皆さまが集まり、神奈川県出身で元プロサッカー選手の岩本輝雄さんもゲストとして参加。平野優花選手と西郡茉優選手も見守る中、さまざまな年代の人々が天然芝のグラウンドで交流しました。

子どもたちは広々としたピッチでエスペランサの選手たちと共にCPサッカーを体験しました。ゴールが決まるたびに参加者同士でハイタッチをし、うれしそうな表情を見せていました。

一方、大人の参加者は、走ってはいけないルールや利き足を使えないルールに戸惑いを見せる場面も。しかし、時間がたつにつれてボールの扱いに慣れてくると、パスがつながり、ゴールも決まり、みんなで楽しむ時間となりました。



■丁寧に続けてきた地域の子どもたちとの交流

ノジマステラの選手・スタッフは、11月23日の「WE ACTION MATCH」に向け、10月から11月にかけて、相模原南児童ホームと中心子どもの家を複数回訪問。児童養護施設で暮らす子どもたちの背景を学んだ後、年代に合わせた様々な遊びを通じて交流を深めていきました。元気いっぱい走り回り、へとへとになるまで遊び、サイン会も行われた交流を通じて、子どもたちにとって選手とノジマステラが身近な存在になっていくことを実感しました。

試合当日は、児童虐待問題への関心を高めるため、オレンジリボンの啓発活動を実施。オレンジリボン運動は、市民が一つになって子ども虐待をなくすことを呼びかける運動で、11月は「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン月間」です。
ピッチに入場するノジマステラの選手たちは、この日のために伊東珠梨選手がミシンを使って心を込めて作った、子ども虐待防止の願いを込めたオレンジ色の腕章を着け、プレーしました。

児童養護施設の子どもたちは、CPサッカーを楽しんだ後、観客席に移動。試合中は大応援団となり、試合終了の笛が鳴るその時まで「がんばれー!」と声を出して、サポーターと一緒に応援をしてくれました。残念ながら試合には敗れましたが、その光景を忘れることはありません。

児童養護施設訪問・学習の様子
児童養護施設訪問・交流の様子

■選手や参加者のコメント

平野優花選手
「みんな楽しそうでした。南児童ホームに行ったときは、室内で子どもたちとドッジボールをしましたが、今日は広々としたところでサッカーができて、本当にいきいきとした笑顔があふれていました。ボール一つで老若男女が繋がれるサッカーは改めて素晴らしいと感じました。」

西郡茉優選手
「私は大学で子どもの虐待や発達に関する講義を受けていて、深刻な問題として捉えていました。実際に子どもたちと関わってみて、他の子たちと違うということを考え過ぎるのではなくて、同じところもありますし、これからも一緒に楽しんでいけたらなと思いました。」

岩本輝雄さん
「(CPサッカーは)初めてでしたが楽しかったですね。走ってはいけなくて(利き足の)左足を使えないのは非常に難しいなという印象を受けましたが、自分がパスを出して仲間がゴールを決めてくれて、参加者の皆さんと一緒に楽しむことができてよかったです。」

児童養護施設の子どもたち
「(以前に選手たちが)いっぱい来てくれて、一緒に遊びました。一緒に河原の掃除もして、サインも書いてもらいました。」「(今日は)すごい体験でした。」「芝生が本物で広かったです。」

児童養護施設のスタッフ
「今日は子どもたちがCPサッカー体験会に参加できて、サッカーの試合を見ることもできて、よかったなと思っています。選手の皆さんは研修を受けて、施設の子どもたちのことを理解してくださっているので、これからもこのような機会を継続していただきたいなと思っています。」

エスペランサ 石原利恵選手
「CPサッカーの選手の気持ちをいろんな年代の方と一緒に分かち合えて、いい経験になりました。体験していただいた方にもいい経験になっていたらいいなと思いました。芝はふわふわで、すごく広い場所でできて、いい機会をくださったノジマステラの皆さんに感謝しています。また来年もこういう機会があればいいなと思っています」

ノジマステラサポーター
「利き足を使えないサッカーはすごくやりづらかったですし、(CPサッカーの)選手たちはすごいなと思いました。WEリーグの試合前に大人がピッチに入れるイベントは、たぶん今までノジマステラではなかったと思うので、今回こういう体験ができてとてもうれしかったです。」

岩本輝雄さん、エスペランサの選手たち、平野優花選手、西郡茉優選手で記念撮影!


その他、試合会場では、家庭にある使われていない食品を必要としている施設や団体に届ける「フードドライブ活動」や、つながりを大切にする社会づくりをテーマに掲げる「赤い羽根共同募金」も行われました。

さらに、「生活習慣」「生活機能」「メンタルヘルス・ストレス」「認知機能」から未病の状態を分かりやすく伝える「ME-BYOキャラバン」や、老若男女が気軽にスポーツを楽しめる「さがみはらSDGsパートナー」ブース、サプライヤーのOPTによる、生理に関する悩みを解決する「フェムテックフェス」も会場に設けられ、この日の相模原ギオンスタジアムは、ご来場者の皆さまとクラブが共に考え、理解を深める場となりました。

様々な企業/団体の皆さまに、スタジアム園路でイベントを開催頂きました。関係企業/団体の皆さま、本当にありがとうございました!


「子ども虐待のない社会」と「インクルーシブ社会」を実現するために。ノジマステラ神奈川相模原はこれからも活動を続けていきます。



(文=大西徹・株式会社アトランテ)